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場内にリングアナウンスが流れる。
「これより〜、MMPW女子世界王座決定戦、無制限一本勝負を行います」
「赤〜コーナー、リンダ〜、グレース〜」
客席の声援に手を振って応えるリンダ。
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「青〜コーナー、WWFチャンピオン、ワイルドキャット・キャロン〜」
こちらはリンダとは対照的に、客席には目もくれず、不適な笑みを浮かべてリンダを睨みつける。
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「この試合を裁きますレフリーは、伊澤祐子です」
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伊澤レフリーの指示で、リング中央に歩み寄り、互いに睨み合うリンダとキャロン。
「試合開始のゴングを待つばかりとなりました」
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カ〜〜ン
乾いたゴングの音と共にコーナーを飛び出すリンダ。
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迎え撃つキャロンも青コーナーを飛び出して行く。
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機先を制したのはキャロンの方だった。
リング中央で力比べになるかと思われた二人だったが、キャロンが素早く体をかわし、リンダの首に組み付いた。
「あッ! 速い!!」
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突進してきたリンダの勢いを利用して、そのまま首投げに持っていく。
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ドスン!
「ウッ!」
マットに叩きつけられ、したたか腰を打つリンダ。
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マットに仰向けに倒れたリンダの腹部に、間髪を入れずニードロップを叩き込むキャロン。
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続けざまに2発、3発とリンダのお腹に膝を落とし、更には両膝に全体重を乗せてリンダのボディを責めるキャロン。
鍛え上げた腹筋に力を込め、懸命に堪えるリンダだが、早くもキャロンのペースで追い詰められている。
「ウッ! グァッ! ウグッ!!」
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トドメとばかりに高く飛び上がりフライングニードロップを狙うキャロン。
(ウッ!これを喰らったら堪えられないわ!!)
リンダの脳裏に恐怖がよぎった。
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